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『バイオロちゃんは、まだ終わってない』

レベル275。
ジョブレベル60。

ステータスだけ見れば、誰もが一目置くはずの数字だった。

「……まだ、その装備なの?」

ギルドチャットに流れた一文に、バイオロちゃんは手を止めた。
課金イベント真っ只中。究極精錬、MVPカード、漢字エンチャント。
ログイン画面は虹色に光り、街には最新装備をまとったプレイヤーが溢れていた。

無課金。
それが、彼女の“罪”だった。

「バイオロって、今はもう席ないよね」
「課金装備前提のダンジョン、入れないでしょ?」

冗談めかした言葉の裏にある本音が、胸に突き刺さる。
以前は誇りだった職業優位性は、
いつの間にか「課金アイテムによる上位互換」に塗りつぶされていた。

金策をしようにも、
高難易度ダンジョンは火力不足で弾かれる。
参加できるのは、日課と過疎マップだけ。

「……私、なんのためにここまで来たんだろ」

倉庫の奥にしまい込んだ、昔の装備。
汗と時間だけで積み上げた証。

そのとき――

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