全ての頂を見渡せる世界の頂点に立て—————。
人類最強を決める祭典が幕を開ける。

しかし、ヒト族同士の戦いは意外な形で終息を迎えていた。

パースタ大陸から突如として現れた来訪者。自らを『ドラム族』と称する彼らは、生まれながらに高い魔力適正、膂力を持ち、訓練を受けずとも各々が強力なスキルを身に着ける素因を有していた。

さらに凶悪なことに、ドラム族はヒト族をドラム族に変える性質を持っていた。
当初表立っての争いを引き起こさなかった彼らだが、気が付けばヒト族は次々とドラム族に討ち滅ぼされ、あるいはドラム族へと変化していった。

わずか1週間足らずでヒト族は滅亡の危機に追い込まれていた。
既に多くの者はドラム族への服従を受け入れ、あるいは力を欲して積極的に転化を望む者すらいた。

この状況下であってなおヒト族最強を決める祭典は催される。それは最期までヒトであることを選んだ彼らにとっての「意地」だったのかもしれない。

大陸に残った各職至高の装備（それでもなお、ドラム族の量産品に劣る）を掻き集めて、かつて頂点を目指した者たちが王都に集う。