「dependence」
commision SIZMA さん

「人妖大戦」
妖狐である私は、その妖力で多くの人間を殺した
しかし、最初から負けは見えていた
殺した以上の人間が私を追い立てた

胴を槍で貫かれ瀕死の私の前には
戦火の瓦礫に挟まれ顔半分と四肢が潰れた赤子がいた
このままではお互い死を待つばかり
私は赤子と融合し、足りないものを補う事にした
お前に拒否権はない
私が生きる為だ

赤子は私の残った四肢と視覚嗅覚、そして意識を共有し、半妖として強く健康に育った
頭の傷の影響で白痴となったが、純粋に生きる活力に満ちていた
私を親と慕っているようで、よくいう事を利く
意識を共有している我々の間には嘘偽りはない
人の持つ弱さが無く、その方がわたしが生きながらえるのになにかと都合が良い

体の占有権はこの者に移ってしまったが、強く意識すれば一時的に私が乗っ取れる
半妖であるが故に仇なす者がいれば私が排除した

お前の体は私の大事な臓腑の代わり
失うわけにはいかない
お前はこのまま何も知らずに、ただ馬鹿みたいに生を謳歌していればよい

そう、私が生きる為に…