吾輩はドラムである 12
我儘もこのくらいなら我慢するが吾輩はヒューマンの不徳についてこれよりも数倍悲しむべきwisを耳にした事がある。
吾輩の故郷ラザーニャの西に、船着き場がある。広くはないがさっぱりとした心持ち好く日の当あたる所だ。うちの養子が夢幻行きたいとあまりに騒いでMD回りの出来ない時や、あまり退屈で狩のレア具合がよくない折などは、吾輩はいつでもここへ出て浩然の気を養うのが例である。ある秋の穏かな日の24時頃であったが、吾輩は露店でホドレムリンカードとグレイヴミミックカードを買ったのち、運動かたがたこの船着き場へと歩を運ばした。NPCに一匹一匹話しながら、船のそばまでくると、大きな羽根衣装ドラムが前後不覚にチャットを立てている。彼は吾輩が連続ニャンジャンプするも一向いっこう心付かざるごとく、また心付くも無頓着なるごとく、大きな羽根を振り回しぐるぐると体を高速で回転させている。
他猫の溜まり場に忍び入りたるものがかくまで平気にチャット出すものかと、吾輩は窃ひそかにその大胆なる度胸に驚かざるを得なかった。